本学発行の「入試ガイド・問題集 2011」の内容を元に、
学習指導案の形にして紹介します。
高校・美術
芸術科(美術)学習指導案(参考資料)
指導時間目安8時間
テーマ:箱の中に「春」を感じさせる空間をデザインする
1. はじめに
このテーマは女子美術大学芸術学部デザイン・工芸学科環境デザイン専攻の入学試験、実技試験の内容に対応しています。高校生のうちから「空間デザイン」というジャンルに触れることで、進路選択の幅を持たせるきっかけとして、本指導案(参考資料)を作成しました。
2. 題材設定の理由
1)空間デザインは、人々が日常関わる身の回り全ての場所にある。空間は住空間・公共空間・屋外空間などの用途に大きく分けられる。人にとって一番身近でありながら、空間デザインという分野はあまり浸透していない。最近は、ジャンルを超えたアート作品も多く、物事を広くとらえる空間を学ぶ事はこれからのアート表現としても必須である。
2)空間デザインという新しい分野を学ぶ事で、自己の表現力を高め、美術により興味を持てる心情を育てたい。また、現在の自分がもっている知識・技術以外の世界に触れることで、未知の分野の存在を知り、現状にとどまらずに自ら新しいことを発見し、挑戦しようとする意欲を育てたいと考える。
3)本題材では「春」をテーマとし、生命感や自然などの美しい形、色の美しさなどを、小さな空間の中にデザインさせる。色や形を使って第3者に情報を伝えるデザインの仕事を理解させ、幅広いアイデアを展開させる。テーマの理解(コンセプト)から作品完成までの制作を通して、一人一人がアイデアを展開して、独創的で創造的な表現に取り組むことによって、デザインの楽しさを味わうことができると考える。
3. 身につけさせたい能力・態度
・生徒の発想力や想像力、造形力の幅を広げる。(アイデア・構成力)
・小さな箱の中に実制作させることで空間を意識させる。
・デザインの分野として、客観的に「春」というテーマをとらえ、色や形を工夫して伝える。
4. 指導計画(指導時間の目安として)
指導時間
内容
1時間/課題説明:空間デザインに関する説明/制作スケジュールの計画
2時間/アイデアスケッチ
1時間/材料の説明
3時間/作品制作
1時間/プレゼンテーション・講評会
5. 評価規準
【関心・意欲・態度】
・ 制作行程を正しく理解し、常に目的意識をもって積極的・意欲的に制作活動に取り組んでいるか。
・ 作業の準備や後片付けが適切で、見通しを立てて計画的に制作に取り組んでいるか。
【芸術的な感受や表現の工夫】
・ 与えられたテーマに柔軟な発想と想像ができているか。
・ オリジナルな空間になるよう努力しているか。
【創造的な表現の技能】
・ 粘土の混色や接着など素材を理解して工夫されているか。
・ 「春」を感じる造形表現になっているか。
・ 立体構成と色彩構成によって、空間を魅力的に表現できているか。
【鑑賞の能力】
・ 作品のよさや美しさを深く味わい、題材の捉え方や表現の仕方のよさを感じ取っているか。
・ 作品の造形及び空間的特徴をとらえ、効果的な表現のための工夫を感じ取っているか。
6. 用意する材料
・ 台紙(段ボール紙)
・ ケント紙
・ 接着剤
・ 箱
・ 小麦粉粘土(赤、青、黄、白)
■空間デザイン事例■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■住空間
住宅/集合住宅/アパート/マンションなど
家具のデザイン/インテリアなど
■公共空間
美術館/博物館/子どもの施設/駅など
■屋外空間
広場のデザイン/公園のデザイン/街並のデザインなど
商業空間
バー/レストラン/ショップ/デパート/ウィンドウディスプレイなど
■参考作品■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
箱の中の空間デザイン
テーマ:春


